今更聞けない「確定拠出年金」とは
年金制度の将来についてさまざまな意見が聞かれている近年ですが、「確定拠出年金」の制度はそれほど世間的に認知されていないようです。
私達が普段「年金」と呼んでいるものは「確定給付年金」と言われるもので、これは事前に一定金額を掛け金として運営母体である生命保険会社や信託銀行に預けることにより、契約満期になったときに契約どおりの額を受け取ることができるというものです。
それに対して「確定拠出年金」とは、企業もしくは個人が毎月一定金額を掛け金として支払うというところまでは一緒なのですが、その掛け金の運用は自分自身で行う事となっています。
感覚的には自分で掛け金を口座に積み立ててゆき、それを運用しながら自分で年金となる金額を増やしていくという事になるでしょう。
「確定拠出年金」はどこでどのように運用するかによって、将来もらえる年金額が大きく異なってきます。
ですので、これから始める場合にはどういったところに預けてどんなふうに運用するか、しっかり勉強をしていくことが大切です。
基本的には確定拠出年金を行っているのは銀行もしくは証券会社などの金融会社で、預けるときには口座管理料がかかってきます。
運用方法はそれぞれの企業によって選べる種類が異なりますが、日本の株式のほか、米国株式や中国株式など海外の有名な市場の証券を購入することができたりします。
確定拠出年金のメリットとデメリットを考える
自分で運用するといったことを聞くと、堅実な性格の人はなんだか恐ろしいことのように思うかもしれません。
ですが確定拠出年金は税制面で大きな優遇処置があり、拠出金額が全額所得控除となるという大きなメリットがあります。
通常の資産運用の場合にはそこで利益が発生したときには運用益に対して20%の税金がかかるのですが、確定拠出年金によって運用した場合においては例外的に非課税になる、というところも大きな点です。
また確定給付年金は一見安全そうですが、現在の極端な少子高齢化を考えると必ずしもそのままの金額が受け取れるとは限りません。
運用方法の全てが危険な投資先というわけではなく、着実に増やせる運用をしているところも多くありますので、そうしたところを選んでいけばかなり大きなメリットがあると言えるでしょう。
一方でデメリットとなるのはやはり投資である以上、完全に安全確保されているわけではない点です。
新興国の株式などは上がる時は一気に値上がりしますが、治安が悪化をしたり国情が不安になった場合には一気に暴落をするというリスクがあります。
無理なく運用していくためには投資先をずっと一定にするのではなく、マメに運用方法を変更していくといった工夫が必要です。