日本における所得税のしくみ
「所得税」とは、収入を得て生活をしている人に必ず課税されることになる税金のことです。
会社に勤務している人が毎月給与の払込内訳を見てみると、必ず源泉徴収として「所得税」や「住民税」が引かれていることが分かります。
所得税は国の財源となる国税の一種であり、その年の1月1日~12月31日までの1年間に受け取った所得の総額によって税率が大きく変化するしくみです。
ちなみに細かいことですが「収入」と「所得」は税金計算においては違った意味のものになります。
「収入」とは給与のように自分以外の誰かから受け取って自分のものとなる金銭のことで、個人事業者における売上額もこれに含まれます。
対して、「所得」というのはそれら収入から経費を差し引いたものです。
例えば個人事業者が材料を自分で購入して製品を作り、それを他人に売るという商売をしていた場合には、売り上げた金額から材料費や家賃などかかった費用を差し引いたもののこととなります。
日本の税制では所得が多くなるほど税率も高くなるという制度となっており、最も低いのが所得1000円~1,949,000までの5%、最も高いのが18,000,000円以上の40%です。
ただし所得が高くなるほど控除額も大きくなるので、18,000,000円以上の場合には2,796,000円まで年間控除の対象となります。
所得控除のしくみと対象とは
所得税を上手に節税していくために欠かせないのが「所得控除」です。
「所得控除」とは1年間のうちに得た利益にである所得への課税のうち、必要な経費であったり税制上の優遇措置として控除を受けることができる仕組みを指します。
控除を受けることで所得金額から控除最高額が差し引かれて計算されるので、その分所得税が安くなるのです。
この所得控除は会社に勤務している人の場合にはあらかじめ源泉され、年末調整でその金額の調整が行われて不足分の請求や余剰分の還付が行われます。
所得控除の種類は全部で14種類あり、主なものに「雑損控除」「医療費控除」「社会保険料控除」「寄附金控除」「障害者控除」「寡婦(夫)控除」「配偶者控除」などがあります。
これらのうち、一般的に控除対象となる項目が「雑損控除」と「医療費控除」です。
これは災害や病気によってその年度に極端に大きな損害を受けたり、病気により多額の医療費の出費があった場合に計上されるものです。
ただしこれらの控除を受けるためには損害金や保険金、医療費の領収書などを提出する必要があります。
他にも「生命保険料控除」や「地震保険料控除」もよく控除対象となる項目ですので、保険会社から送付される証明書はしっかり保管しておきましょう。