もし夫が亡くなってしまったら
子育て世代の女性にとって大きな気がかりになるのが、もし生活収入を得てくる夫が突然に亡くなってしまったらどうなってしまうのだろうかということです。
出産や育児をする女性はどうしても独身時代と同じように勤務することができませんし、何より仕事をしながら家庭で子供の面倒をきめ細やかに見ていくということの負担の大きさは想像するだけでもプレッシャーとなるものです。
「亭主元気で留守がいい」などといったことがバブルの時代にはCMのキャッチフレーズになりましたが、穿った見方をすれば当時から配偶者である夫が病気となった場合の苦しさは想像できていたということです。
しかし幸いなことに日本においては戦前・戦中における出征した夫を家庭で守る妻という存在を「あるべき姿」として位置づけていたこともあり、現在においても夫を亡くした妻に対しての社会制度はかなり手厚く残されています。
夫を亡くした妻がもらえる社会保障制度の最も大きなものが遺族年金で、現在の計算式によると残された妻はかなりの金額を受け取ることができるようになっています。
料率の計算方法は生前の夫の収入や家族環境などによって若干変化しますが、特に子育て中の女性が受け取れる公的な補助金はかなり高いものとなっているので、万が一のときにはまず自治体の窓口に相談に行くことをおすすめします。
モデルケースとしては一般的な会社員の夫が亡くなった場合、遺族基礎年金として年間99万5200円を受け取ることができるとともに、子供が18歳以上となって遺族年金の支給が打ち切られたあとには中高齢寡婦加算として年間58万円が支給されます。
住宅ローンも団信により免除になります
もう一つ気がかりなのがそれまで住んでいた戸建て住宅にかかる住宅ローンの返済についてです。
一般的なサラリーマン世帯の場合、子供が生まれたタイミングで自宅として戸建住宅やマンションなどを購入することがよくありますが、その場合20~30年という長期に渡って返済する住宅ローンの契約をします。
住宅ローンでは月額10万円前後の金額を金融機関に返済しなければならないことになっており、一時的に収入が減少してしまった場合などにはかなりの負担になってしまいます。
そこでもし収入の中心である夫が亡くなってしまったらどうなってしまうのだろうと心配してしまうところですが、住宅ローン契約の多くは「団体信用生命保険(団信)」に加入しているので、もし契約者が突然に亡くなってしまった場合にはその保険により残金は免除として扱われます。
夫が亡くなったらすぐに住むところも収入もなくなってしまうというわけではありませんので、安心して子育てをしていってもらいたいです。
民間の生命保険に加入しておきたい
しかしいくら公的制度が手厚いといっても、それだけで生活を維持することができるかというと難しい面もあるというのが実情です。
生活をしていくだけならばそれでもよいのかもしれませんが、子供によい教育を受けさせたりスポーツや習い事で才能を伸ばしたいという人にとっては公的な支援だけではとても足りません。
そこでぜひ加入をしておいてもらいたいのが民間の生命保険です。
民間の生命保険には数多くのプランがあり、条件によって料率が変化はするものの一般的には万が一の時にはかなり多額の保険金が払い戻されることになっています。
公的な制度だけに頼るのではなく、子供ができるタイミングなどでその後の万が一の資金計画を夫婦できちんと立てていくようにしましょう。